民間企業

お客様との信頼関係が大切な仕事。
空手部で鍛えた「気配りの姿勢」が、しっかりと生かされています。

大和ハウス工業株式会社 勤務鈴木 俊弘 さんSuzuki Toshihiro法学部卒(2001年3月) / 大阪府立 守口北高校(現芦間高校) 出身

前へ

次へ

現在、どのようなお仕事をされていますか?

大和ハウス工業の流通店舗事業部で、営業を担当しています。
ハウスメーカーとしての「ダイワハウス」のブランドは、ほとんどの人がご存知だと思います。でも会社全体を見ると、賃貸住宅や商業施設など、実は幅広くさまざまな事業を展開しているんです。知らなかった人も、少なくないでしょうね。実は私も、就活で企業研究をするまで知りませんでした(笑)。
私が所属している流通事業部では、土地の有効活用の提案を行っています。具体的に言うと、コンビニや飲食店、アパレルショップなどのチェーン店を新しく出店したいと考える企業と、土地をお持ちの地主さんとの仲介を行い、建物の建設を私たち大和ハウス工業が行う、というビジネスです。例えば幹線道路沿いなど、企業が「ここに店を出したい」と思う好立地の土地のオーナーに、お話を持ちかけます。建物の建築費用がいくらかかり、賃料としてどれくらいの収入が得られるかなど、諸条件について交渉。契約期間は15年〜20年と長期に及びます。金額も大きいですし、契約は決して簡単に取れるものではありません。でもだからこそ、やりがいある仕事だとも感じています。

ご苦労が多いぶん、成果を出せた時の喜びは大きいのでしょうね。

そうですね。まずは地主さんの元へ、飛び込みで直接訪問することが基本。すぐにはお話を聞いていただけないことも多いですし、何度も足を運んで、信頼をいただくことが大事です。2年、3年とお付き合いを重ねて、ようやく契約に至るというケースも珍しくありません。また、地主さんとのお付き合いがある地元の不動産業者や銀行、税理士さんなどとも信頼関係を築き、地主さんに関する情報をいち早く入手できるよう、常にアンテナを張り巡らせています。
10年以上この仕事をしてきた中で、多くの地主さんとの信頼関係や地元での情報網を築くことができていますが、何もないところからスタートした新人の頃は、本当に大変でしたね。契約どころか、何度訪問してもろくにお話も聞いていただけない、といった日々が続いて…。でもここの土地なら、必ず出店したいという企業があるはず。そんな確信を持って頑張り続けていた、ある日のことです。「今日もダメかもしれない」などと考えながら、雨が降る中、自転車で地主さんを訪れました。するとその地主さんは、「雨だというのに、また来たのか」と言いながら、私を家の中に招き入れてくれたのです。初めてのことでした。それからしばらくお互いに何気ない世間話をしたあと、地主さんが「ところでしょっちゅう来てくれていたが、何の用件だったっけ?」と、私の提案についてのお話を聞いてくださってね…。それが、私の初受注の思い出です。
実はその地主さんとは、昨日もお話をしていたんですよ。10年を超えるお付き合いの中で、何度もご契約をいただいています。本当にいい関係を築けていると、実感していますよ。

今のお仕事を志すようになったきっかけは何ですか?

大学の空手部の先輩が、大和ハウス工業からの内定をもらったことが、この会社との出会いでした。もちろん、それまでにも社名は知っていましたよ。でも先輩の配属先が流通店舗事業部だと聞いて、「どんな仕事をするんだろう?」と興味を持ち、自分でいろいろ調べてみたんです。住宅だけじゃない、大和ハウス工業の幅広い事業についてその時に初めて知り、中でも流通店舗事業部での仕事を「面白そう!」と感じました。それで大和ハウス工業を第一志望と決めて、就活に取り組んだんです。住宅にはあまり関心がなかったんですけどね(笑)。選考を受けた結果、内定を獲得。入社後、希望通りの事業部に配属され、今に至るというわけです。

大学ではどのようなことに力を注ぎましたか?

空手に打ち込みました。高校までもずっと空手をやってきて、「大学では他のことをやろう」と、最初は考えていたんですけどね。経法大の空手部は強豪だから練習も厳しい、と聞いていたこともあり、少し腰が引けていたんですよ。でもやっぱり空手がしたいと考え、1年生の途中から入部。練習は確かに厳しかったですが、それからは毎日が充実していると感じました。
上下関係や礼儀についても、厳しい部でした。1年生の頃などは、先輩への気配りがたいへんでしたよ。休憩の時に先輩にタオルを持って行き、そのタオルがきちんと洗えていなくて叱られて…。そうした中で、相手の立場に立って考えて行動するという姿勢が、自然と身についたように思います。それが今、仕事で生かされていますよ。お客様が何を思い、どうして欲しいのか、考えた上での行動が、当たり前のようにできている。改めて、空手部の先輩たちに感謝したいですね。

大学の授業で、今の仕事に役立っていると感じるものはありますか?

入社1年目に宅地建物取引主任者の資格を取得したのですが、その時に、「大学で法学を学んで良かった」と感じました。法学部で法律の基礎を身につけていたからこそ、資格取得のための勉強がスムーズにできたんですよ。
それだけでなく、この仕事には多くの法律知識が要求されます。契約を取り交わす時もそうですし、借地借家法や建築法、税法などなど、さまざまな法律が関わってくるビジネスなんです。大学ですべてを学んだわけではありませんが、授業で法律に慣れ親しむことができたおかげで、社会に出てからもそうした法律について勉強することが苦になりませんよ。

今後の目標についてお聞かせください。

流通店舗事業部での仕事が好きですし、この部門でやり遂げたいという思いを持っています。今やっている仕事、今やらないといけない仕事に、全力を尽くして。主任というポジションを任されている中、自分自身の営業成績だけでなく、メンバーが結果を出せるようサポートすることも重要な使命だと認識しています。若手社員たちをしっかりと指導・育成し、事業部全体を盛り立てていきたいですね。

受験生の皆さんへのメッセージ

大学に入ったら、自分が打ち込める何かを見つけてほしいですね。部活でなくても、勉強でも、他の課外活動でも、何でもいい。私自身は空手に打ち込んできた中で、厳しい練習をつらいと感じることもありました。でもそれを乗り越えた自信があるから、今があるんです。空手部で頑張ってきたことで、つらさや楽しさを分かち合える仲間や、私を支えてくれる先輩や先生にも、出会うことができました。苦しい思いをして頑張ったと言えるものがあるかないかで、大学での4年間の充実度は、大きく変わると思いますよ。

※掲載内容は取材当時のものです。

同じ職種・資格のストーリー