民間企業

軌道修正を余儀なくされた就職活動。
自分を信じて進み、世界の食を支えるという夢に出会えた。

株式会社ニチレイ 内定松本 侑斗 さんYukito Matsumoto法学部法律学科卒(2021年3月) / 山形県 鶴岡東高校 出身

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内定先についてお聞かせください。

株式会社ニチレイから内定をいただきました。
ニチレイと聞いて皆さんが思い浮かべるのは、きっと冷凍食品だと思います。電子レンジ対応の冷凍コロッケを生み出すなど、業界を牽引し続けてきた企業なので、冷凍食品のイメージが強いのは当然のことですが、実はそれ以外にも大きな強みがあります。それは、冷凍食品を全国に届ける物流ネットワークです。国内だけではなく海外にも冷凍倉庫や物流センターを保有しており、その数なんと約120カ所。冷凍保有能力は200万トンにものぼり、これは国内最大規模を誇っています。こうした低温物流事業を通して世界中の豊かな食生活を支えていることに、私自身もとても大きな意義を感じています。

ニチレイに興味を持たれたきっかけは何ですか?

きっかけは、新型コロナウイルス感染症の流行、いわゆる「コロナ禍」です。実は、就職活動を始めた当初は旅行業界を志望していました。ところが、突然訪れたコロナ禍によって旅行業界は大打撃を受けました。業界の先行きが不透明になった上、採用自体が縮小される可能性もある。そう考えると、志望業界自体を軌道修正せざるを得ませんでした。
まず考えたのが「コロナ禍であっても需要が落ちない業界は何か」ということ。さまざまな可能性を検討した結果、「衣食住に関わる業界は絶対になくならないだろう」という考えに至りました。その中でも、私は食べることが大好きなので、食品業界に絞り込み、日本中を支えるような大きな企業を検索するうちに、自然とニチレイにたどり着きました。母も一時期働いており、「とても良い会社だったよ」と教えてもらったことで、インターンシップへの参加を決めました。参加してみると、自由で風通しの良い社風に魅力を感じ、一気に第一志望になりました。

大学では、どのような学修に取り組まれたのですか?

中学・高校と野球一筋だったので、正直なところあまり勉強をしてきませんでした。そのため、大学ではしっかり勉強に打ち込もうと思い、経法大に入学したんです。法学部の学修なら、スタートラインは同じはず。そう考えて法学部を選びましたが、現実は厳しかったですね。法律の奥深さや難しさに、最初はかなり苦しみました。それでも、地道に学修を続けていくうちに、少しずつ理解が定着していくのを感じました。テストでもその成果を発揮できるようになると、ますます勉強が楽しくなっていきました。
また、就職活動の直前までは旅行業界をめざしていたので、国内旅行業務取扱管理者の資格試験に向けた講座も受講していました。途中で脱落していく学生が多い中、無事に資格を取得することができたので、就職活動に向けて大きな自信になりました。そして、この資格勉強を通して感じたのは、「努力は決して裏切らない」ということです。すべての努力が報われるわけではありませんが、努力したからこそ、結果がついてきたと思っています。最終的には、進む業界は変わってしまいましたが、努力を継続してきた経験は、社会に出てからもきっと役に立つはずです。

大学生活で印象に残っていることはありますか?

1年生の時にサークルを立ち上げたことが印象に残っています。高校生の頃はずっと野球に打ち込んでいて、甲子園にも出場できました。大学では野球以外の球技も楽しみたいと思っていましたが、「どこかのサークルに入るのもいいけど、せっかくだったら思い切ってサークルを立ち上げてみよう」、そう考え、友人と二人で球技全般を楽しむサークルをつくりました。活動は不定期ながら、サークルを介したつながりがどんどん広がっていきました。最初は敬語で話をしていたメンバーたちも、一緒にスポーツをすることで、距離がグッと縮まり、いつの間にか打ち解けている。そんな光景を見る度に、このサークルを立ち上げて本当に良かったなと思いました。
4年生になった今でも一番仲がいいのは、このサークルで出会ったメンバーです。コロナ禍における就職活動を乗り切れたのも、このメンバーとZoomを使って情報交換することで、不安に打ち克つことができたからだと思います。周りの学生たちが、続々と内定を勝ち取っていく中で、一人取り残された気分になり、少し自暴自棄になる時期もあったので、仲間の存在が大きな支えになりました。

就職活動に向けて、どのような準備をされましたか?

先生の勧めもあり、1年生の時から「SPI(Synthetic Personality Inventory)総合検査」の勉強はしていましたが、本腰を入れて取り組むようになったのは2年生の後半から。他の学生より一歩でもリードしたいと思い、この時期から対策を進めてました。個人的な学修に加えて、キャリアセンター主催のSPI講座にも参加して学修を深めていき、SPIに関してはかなり自信が持てるようになりました。
また、キャリアセンターにも、とてもお世話になりました。インターンシップ前にも立ち居振る舞いなどを指導していただきましたし、就活直前には面接練習もしていただきました。夢中で話していると全く気付かなかったのですが、敬語の使い方を間違っている、目線が落ち着きなく動いているなど、客観的にフィードバックしていただいたことで修正できた部分も多く、とても感謝しています。個人的な考えですが、最高の面接練習は実際の採用面接だと思っていたので、キャリアセンターで基本的な力を身につけた後は、さまざまな企業のインターンシップに参加し、企業の方との模擬面接を体験していきました。

ニチレイの選考には、どのように臨まれましたか?

直前に志望業界を変更したとはいえ、大学4年間でさまざまなことにチャレンジし、SPI対策などにも力を入れてきたので、自信を持って選考に臨みました。しかし、想定外だったのは、筆記試験がSPIではなかったことです。最初は焦りましたが、大学でSPI以外の就活講座も受講していたことが功を奏し、そこで学修した問題も出題されていたので、冷静さを取り戻して受けることができました。
面接は、3回実施されましたが、コロナ禍ですべてZoom面接に変更されました。どのようにすれば画面越しでも対面と同じように熱意が伝わるのか、最初はかなり苦労しましたね。しかも、1次面接は集団面接だったので、会話をするタイミングが難しく、画面のどこを見たら良いのかもわからず戸惑いました。
続く2次面接は、面接官2名、学生2名の形式でした。Zoomでの面接にも少し慣れ、1次面接の集団面接よりは落ち着いて受けられたと思います。ところが、一緒に面接を受けたもう一人の学生が、かなりの強敵でした。私は新聞に掲載されたニチレイの記事を読み込んでいましたが、その学生は物流業界全般の幅広い知識を身に着けていたので、「これは大きな差がついてしまった」と、内心焦りを覚えました。しかし、ここで知ったかぶりをしても何の意味もありません。わからない質問には「申し訳ありませんが、勉強不足で存じ上げません」と素直に答えました。すると、面接官の方も「これは知らなくても仕方がないよね」と言ってくださったので、ホッとしながらも、もっと深く勉強する必要があるなと反省させられましたね。
そして何とかたどり着いた、社長や役員の方々との最終面接。ここまで来れば、もう後はご縁があるかないかです。緊張せず自然体で話そうと心掛けて面接に臨みました。蓋を開けてみると基本的な質問を少し聞かれただけで、後は野球の話で大盛り上がり。途中からは、ほとんど世間話のようになりました。インターンシップの時も風通しの良い会社だと感じましたが、この最終面接でも改めてそう感じ、ニチレイのことが一層好きになりました。

今後の抱負についてお聞かせください。

同期の誰よりも先に昇進したいと思っています。もちろん、働く目的が「昇進」だと言うわけではありません。会社や社会に貢献できているかどうかの評価が、昇進という形になって現れると考えています。どんどんキャリアアップしていき、ゆくゆくは海外でも活躍したいと思います。コロナ禍において、冷凍食品の価値はまだまだ高めていけるはずです。志望業界の軌道修正を余儀なくされた時は、不安に思うこともありましたが、自分を信じて進み続けた結果、世界中に豊かな食生活を提供していける仕事と出会うことができました。これからは、ニチレイのネットワークを活かして世界の食を支えていきたいと思います。
また、仕事に力は入れつつも、プライベートも大切にしたいですね。私は母子家庭で育ったので、今まで支えてくれた母に、恩返しの意味も込め、しっかり親孝行をしていくつもりです。

受験生の皆さんへのメッセージ

大学は高校とは環境がまったく違います。自分の意思で自由に物事を決められますし、時間もたっぷりあります。それを遊びに使うのか、勉強に使うのかは自分次第。でも、決して忘れないでほしいのは、自分一人の力やお金で大学に行っているわけではないということ。思い切り遊ぶことも必要ですが、オンとオフはきちんと切り替え、大学での学修を大切にしてください。そうした意識があれば、大学生活は自然と充実していくと思いますよ。

※掲載内容は取材当時のものです。

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(クラブチアーズ)

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