民間企業

米国ロースクールから、グローバルビジネスへ。
大学で法律と語学の両方を学べたことが、その出発点。

楽天株式会社 内定石谷 将太 さんShota Ishitani法学部卒(2014年3月) / 三重県立 松阪高等学校 出身

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内定先企業についてお聞かせください。

楽天株式会社から内定をいただきました。
ネットショッピングの「楽天市場」をはじめとする、多様なインターネットサービスの運営で知られている会社です。
私は経法大を卒業後、米国・テンプル大学のロースクールに進学し、英語で法律の学修に取り組んできました。そのなかで身につけた高度な法知識と、専門用語に対応できる英語力を発揮できる企業として、楽天を志望しました。昨年の秋に米国で開催された、日本人留学生を対象とする企業説明選考会を通じてエントリーし、内定に至りました。
楽天は、社内英語化を進めるとともに、海外展開のさらなる加速化を推進しています。この会社には、私が活躍できるチャンスがたくさんあると確信しています。
また、私には「日本と世界の架け橋になるような仕事がしたい」という想いがあります。私は三重県の小さな町で生まれました。実家の近所はコンビニもない田舎ですが、おいしい農産物がたくさんあります。楽天のサービスを使えば、それらを日本全国へ、そして世界の人々のもとへと、届けることができる。これも、楽天を志望した大きな理由です。

経法大卒業後、テンプル大学に進学された理由をお聞かせください。

経法大では、将来の司法試験合格を目標として、法律の学修に励みました。卒業後の進路として、当初は法科大学院進学も考えましたが、日本の法科大学院の場合、卒業までに2~3年かかってしまいます。また、予備試験のために予備校に通ったり独学をしたりするのにも、相当な時間が必要だと聞きました。
私は当時から、法廷弁護士よりもビジネスの分野で活躍したいと考えていました。「日本の制度では、資格を取得してから、それを実際に仕事で生かせるのが20代半ばから後半になってしまう」。そんな懸念を解消してくれたのが、ゼミの先生に勧めていただいた、LL.M.(Master of Laws degree)留学という選択肢でした。
海外の大学で法学士を取得していれば、1年間LL.M.のプログラムを受講すると弁護士試験を受験できるという制度が、米国にはあります。この制度なら20代前半で実務の場に出ることが可能です。また、単純な語学留学とは違い、現地の学生とともに専門の授業を受けることで、より実践的な英語力を修得できます。イレギュラーな進路選択になるという不安はありましたが、私にとっては最も現実的だと考え、渡米を決心しました。
なかでもテンプル大学を選んだ理由として、米国のロースクールの中で唯一、日本に分校を持っている大学であるということが大きかったですね。まず東京にあるキャンパスで、米国での学習方法を専門の先生方から学べる点が魅力的でした。また、候補として考えていた他のいくつかのロースクールと比較し、学費が安かったことも理由の一つです。
苦労は多かったですが、ゼミの先生が、私のために米国のロースクール進学を目標とした指導をしてくださったことが、とてもありがたかったですね。最初は考えてもいなかった進路を選ぶことができたのも、先生のサポートがあったからこそだと思います。

法律を深く学ぼうと考えたきっかけは何ですか?

高校生の頃は「大学で語学や国際教養について学び、いい会社に就職したい」といった希望を、漠然と抱いていました。しかし、第一志望だった国立大学の国際教養学部の受験に失敗。その挫折感から脱却しようと「司法試験に合格し、将来は企業内弁護士としての活躍をめざそう」という新しい目標を打ち立て、経法大の法学部に入学したのです。
とは言え、経法大では法律を学べただけでなく、語学力や国際教養を身につける機会も豊富にありました。当時はまだ国際学部がなかったので、入学当初は法律の勉強をすることしか考えていませんでした。ところが1年生の時から国際交流セミナーでロシア・中国・韓国を訪れるという体験ができ、2年生の時にはロンドン大学SOASへの留学まで実現できたのです。
ロンドンから帰国後、TOEIC®IPテストで900近いスコアを出すことができました。TOEFL®テストに向けた勉強にも力を注ぎ、特に米国行きを決意してからは、米国のほとんどのロースクールが出願条件として提示してしたiBT100を目標に頑張りました。
振り返ってみると、経法大では法律と語学の両方を学べたことが本当に大きかったと感じます。海外体験を重ねるなかで、グローバル視点で物事を捉えられる広い視野も得られました。それが、米国のロースクールという進路選択や、楽天でグローバルビジネスに挑戦していこうとしている、今の自分につながっているのだと思います。

経法大での海外体験学修プログラムでは、どのようなことが印象に残っていますか?

1年生の時に参加した国際交流セミナーが、最も印象に残っています。ロシア・中国・韓国の学生たちと一緒にロシアと中国を周りながら、フィールドワークやディベートに取り組む、といったプログラムでした。
共通言語が英語だったことや、人生で初めての海外ということもあり、出発前までかなり緊張していたのを覚えています。実際に参加してみて、海外の優秀な学生に出会うことで、たくさんの刺激を受けました。語学力が堪能で自分の意見をしっかりと主張する同世代の学生を前にして、自分の英語力や知識の無さを思い知らされて落ち込むことも、一度や二度ではなかったですね。
その時の悔しい思いをバネに、帰国後は、自分にとっての「できる」「できない」を明確にした上で、「できない」を克服できるよう、努力を重ねました。環境のせいにせず、目の前にある一つひとつの課題に向き合い取り組むことで、自分をレベルアップさせようと考えました。その結果、最終的には同様のセミナーでリーダーを務めさせてもらえるまでに成長できたのです。この経験からも、真摯に物事に取り組む大切さを学びました。自分の立場や環境に関係なく、やるべきことに集中して課題をクリアしていくことで、一歩一歩自分の目標に近づいていくという姿勢は現在でも変わりません。

今後の抱負についてお聞かせください。

海外の取引先とのビジネスで、これまでに身につけた高い英語力を発揮したいですね。また、テンプル大学のロースクールで学んだ高度な法知識を活かすためにも、法務の仕事に就くことができればと考えています。将来的には、国際的なM&Aなどにも携わるチャンスがあるかもしれません。日本で高いシェアを誇る楽天が世界でいかに打ち勝っていくか、そこに貢献できる存在となることをめざしたいと思っています。

受験生の皆さんへのメッセージ

どんなことでも、一生懸命に集中して取り組めば、そこから見えてくるものがあります。やる前から自分の限界を決めたり、自分には向いていないなどと考えたりせず、それが嫌いになるくらいまで頑張れることが大切だと思うんです。そこから得られたものを次の何かに生かすことも、それを突き詰めていくのもいい。私も法律の勉強に励み続けてきたことで、考えもしなかった未来を切り拓くことができました。経法大は、いろんなことに挑戦できる機会が豊富な大学ですし、ぜひ何か一つ、集中して打ち込めるものを見つけてほしいですね。

※掲載内容は取材当時のものです。

印象に残っている授業

やはり、アメリカのロースクール進学を目標にした指導を行っていただいたゼミですね。アメリカ法を勉強するためには、非常に多くの判例を読まなければならないので、先生からは毎週かなりの量の課題を出されました。日付が変わる頃にやっとその日の授業範囲の課題を終え、レポートを提出し、授業に備えて寝るために布団に入った時に、先生から追加の課題が送られて来ることも珍しくありませんでした。入学時には考えもしなかった進路を選ぶことができたのも、先生のサポートがあったからこそだと思います。

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