大学生活で熱中したことを教えてください。

一番の思い出は、法学部の「学生研究発表大会」ですね。興味を持ったきっかけは、1年生の時に友人が参加したこと。彼を見ていると「やらされている感」ではなく、自分の意思で自由に勉強しているように感じ、メンバーと協力しながらの作業がとても楽しそうに見えました。これまで人前で話す経験は少なかったものの、思い切って自分も挑戦してみようと思い、2年生で大会への参加を決めました。
発表まで、どのように準備を進めましたか?
まず発表テーマを設定します。当初は誹謗中傷やデータ盗用が社会問題になっていたSNSを取り上げようと考えていましたが、ゼミの先生からのアドバイスで法学の専門性を活かした「画像生成AIイラストの著作権問題」に変更しました。生成AIが作るイラストと、作家の著作権保護についてはこの頃から徐々に社会問題としてメディアに取り上げられる機会が多くなり、また個人的にもイラストへの興味があったので、自分に合ったテーマになったと思います。
法整備が追い付いていない問題ということもあり、研究の目的は「画像生成AIイラストの著作権が認められるには、どのような要件を満たす必要があるか」に定めました。著作権や知的財産についての法律、イラストに関連する判例のリサーチに加え、文部科学省が発表したガイドラインも参考にしながら研究を進めました。
テーマ設定に手間取った分、発表準備に割ける時間が不足してしまいましたが、時間を見つけてはスライド原稿の構成や表現を練り、また聞いている人に「伝わる」声量とスピードを意識した発表の練習を繰り返しました。特に難しかったのは、制限時間である15分以内に発表をまとめること。タイムを計っては余分な部分を削り、時間内に収めるという作業が本番直前まで続きました。
大会当日は納得のいく発表ができましたか?

発表は審査員である4名の教授と学生20名前後の前で行いました。少し早口になったところもありましたが、相手に「伝わる」ことを意識しながら話しているうちに、あっという間に15分が過ぎていました。
結果は2年生から4年生の部門で2位。審査員からは「生成AIと著作権」というテーマの斬新さを評価していただきました。初めての経験でしたが、取り組むうちに研究発表の楽しさがわかり、無事にやり遂げたという充実感は、今でも忘れられません。
大学では、情報系の資格取得にも力を入れられましたね。
はい。高校時代からITに興味があり、2年生で履修した先生から「ITパスポート」という国家資格があることを教わりました。情報系企業への就職だけでなく、どのような仕事にも役立つ資格であることを知り、受験することにしました。
試験対策に取り組むうちに、他にも「情報セキュリティマネジメント」や「マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)」という資格があることを知り、可能な限りチャレンジすることにしました。
MOSは「PowerPoint」と「Excel」を受験しました。参考書を何度も読み込んでの独学でしたが、試験に慣れることを意識していましたね。
「ITパスポート」と「情報セキュリティマネジメント」は「ICT特別演習」の先生に質問をしたり、放課後に時間をいただき、マンツーマンで疑問点を解消していただいたおかげで、無事資格試験に合格することができました。
情報系の試験対策は、法学部の学修とは内容や進め方が異なります。だからこそアプローチを切り替え、過去問を解いて問題をしっかり理解すること、また実践を多く繰り返すことを意識しているうちに理解度が深まり、勉強が楽しくなっていきました。
そうした努力が実を結び、大阪市役所の採用試験に合格されました。
大阪府庁に勤務している兄の影響が大きいと思います。大学入学前から、職場のリアルな実情を兄から聞いており、やはり民間企業に比べて雇用が安定していたり、福利厚生も手厚かったり、また残業時間もしっかり管理されていたりする点が魅力だと感じていました。経法大に入学したのも、高校時代から公務員になりたいという目標があり、そのためのサポートが充実していたからです。
採用試験合格に向けて、どのような準備をしましたか?

1年生の頃から「Sコース(特修講座)」で基礎的な学修を始め、3年生の5月から本格的な対策を開始しました。この頃には、市民に寄り添った仕事ができ、採用試験合格の可能性も高い地方公務員に絞っていました。
受験する自治体の筆記試験はSPI(Synthetic Personality Inventory:総合適性検査)形式だったため、対策もSPIの過去問が中心です。実際の試験では制限時間が短いので、問題を解くスピードを上げるためにできるだけ多くの問題に取り組み、また問題の本質を理解することにも力を入れました。
小論文については、「公務員特別演習」の先生や「公務就職支援室」の職員の方に添削していただきました。特に「公務就職支援室」には何度も通い、添削を繰り返して少しずつ小論文を書く力をつけることができました。
採用試験の結果には満足していますか?
小論文で予想していたテーマの問題が出るなど運に恵まれた面もありましたが、大阪市の合格を勝ち取ることができました。皆さんのサポートのおかげで悔いなく挑み合格できたことに本当に感謝しています。
特に力強いサポートだったのは面接の練習です。こればかりは一人でできることではありません。「公務就職支援室」の職員の方や、大阪市職員のキャリアを持つ先生から指導を受けられたことが結果につながりました。本番では3名の面接官から質問を受けましたが、何度も面接練習を繰り返したおかげで、あまり緊張することなく臨めたと思います。
合否通知は郵送で受け取りました。ある程度手応えはありましたが、やはり開封するまではドキドキしました。「合格」の文字を見た時は、心の底から安心しましたね。お世話になった先生にも報告したところ「おめでとう!」という言葉とともに、公務員として仕事に取り組む上での意識の持ち方についてもアドバイスをいただきました。公務員の経験を持つ先生が大学におられ、サポートしてくださることは、公務員をめざす上で本当に心強いと思います。
将来にむけてご自身の計画や目標を教えてください。

入庁後にどの部門に配属されるかはわかりませんが、まずは配属先の業務をしっかり覚え、職場に定着することが第一の目標です。その上で、大阪市をもっと盛り上げていくことができればと思っています。特に市民の皆さんが健やかに、ストレスなく暮らせる環境をつくることが、より良い街をつくることにつながると思っています。
※掲載内容は取材当時のものです。
将来にむけてご自身の計画や目標を教えてください。
入庁後にどの部門に配属されるかはわかりませんが、まずは配属先の業務をしっかり覚え、職場に定着することが第一の目標です。その上で、大阪市をもっと盛り上げていくことができればと思っています。特に市民の皆さんが健やかに、ストレスなく暮らせる環境をつくることが、より良い街をつくることにつながると思っています。






























































































