公務員・教員

大阪の未来をひらく、スマートシティ化に尽力し、
地域を継続的に発展させる「大きな仕事」に携わりたい

大阪府庁採用試験 合格登 竣麻 さんShunma Nobori法学部法律学科卒(2023年3月) / 大阪府立 みどり清朋高校 出身

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大阪府庁の採用試験合格、おめでとうございます。
公務員を志したきっかけについてお聞かせください。

私は、地元行事によく参加していたので、少子高齢化の波が地元にも押し寄せていることを実感していました。そのため、地域を継続的に発展させる大きな仕事に携わりたいと高校生の頃から考えていました。東大阪市出身なので、当初は東大阪市役所を目指していましたが、大学演習(ゼミ)で先生からいただいた「もっと大きな仕事ができる大阪府庁はどうだろう」というアドバイスをきっかけに、大阪府庁を目指すようになりました。
日本の副首都である大阪府は、人も経済も動きが活発です。何かひとつ政策を実行すれば、その波及効果は非常に大きく、政策自体も全国から注目されています。高校生の頃は、地元を軸に「大きな仕事がしたい」と考えていましたが、大阪府庁では想像していたよりも遥かに「大きな仕事」に携われるため、今からワクワクしています。

民間企業からも内定を獲得されたそうですね。

大学で学んだ個人情報保護法に関する専門知識を活かせる道として、プライバシーマーク制度のコンサルティングを行う企業の選考にも参加し、いくつか内定をいただきました。プライバシーマーク制度とは、事業者が適切に個人情報を取り扱っているかを評価し、基準に適合した事業者には、その証としてプライバシーマークの使用を認めるというものです。大学で深く学んだ専門分野であり、自分としても興味のある道だったので、大阪府庁とどちらに行くか非常に悩みましたが、最終的には高校生の頃から志している公務員の道を選びました。

大学ではどのような学修に取り組まれたのですか?

法律関連の授業はもちろん、経済や政治などの分野も幅広く学修しました。なかでも「行政法総論」と「行政救済法」では、今後のキャリアでも役立つ知識を得られたと感じています。「行政法総論」では、行政活動はどのような法的仕組みでコントロールされているのかを知り、情報公開請求や個人情報保護などについても学びました。情報公開請求は今後、行政側の立場として関わることになるので、この授業で基礎的な部分をしっかり学修することができて良かったと思っています。
「行政救済法」では、市民の権利や利益が侵害された場合の救済方法について、具体的な訴訟事例を通して学ぶことができました。行政による活動は不当なものであってはいけませんが、人が行うものである以上、市民の権利や利益を侵害してしまう場合も稀にあります。行政訴訟や不服申立て、国家賠償など、どのような救済手段が存在するのかを学び、必要な要件なども細かく知ることができました。
また、「公務員特別演習」では繰り返し面接の練習に取り組みました。クラスメイトの前で先生と模擬面接をするので、本番を想定した実践的な練習を経験できるだけでなく、自分以外の受け答えを参考にできました。どのような些細なことでも先生に相談できる環境も良かったですね。私の場合は大阪府庁以外に民間企業も受ける予定だったので、両方の相談にのっていただき、さまざまなアドバイスをいただきました。特に論文に関しては、「大阪府庁では、最近こういうテーマが出ているから押さえておこう」「こういう一文を入れておけば、読み手の印象は大きく変わるよ」といった具体的な指導もしていただきました。
地方上級や国家一般職の筆記試験対策として、「Sコース(特修講座)」も受けていましたが、大阪府庁の筆記試験はSPI(Synthetic Personality Inventory:総合適性検査)だったので、直接的に繋がりを感じませんでした。しかし、継続的に取り組む習慣がつき、学修へのモチベーションも高まったので、受講して良かったと思っています。

ゼミではどのような研究をされたのですか?

個人情報保護法について研究していました。個人情報は誰もが関係する身近で重要なことであるにもかかわらず、その内容や法律はあまり知られていません。ゼミでは自分が個人情報を扱う立場になった時に気を付けるべき点や、自分の個人情報をどのように管理するかといった点を学び、非常に実践的で実用的な知識を得ることができました。こうした知識は公務員ではもちろん、どんな企業に所属することになっても活きてきます。実際、プライバシーマーク制度の運営やコンサルティングをしている民間企業の選考段階でも、これらの学修内容は大きなアドバンテージになったと感じています。

試験本番に向けて、どのような準備をされたのですか?

キャリアセンターではエントリーシートの添削を、公務就職支援室では模擬面接をしていただきました。特に模擬面接は、一次選考通過後、週1回のペースで通って練習しました。民間企業の選考で面接自体には慣れていましたが、公務員採用試験では問われる内容が全く違います。模擬面接で本番を想定した質問をしていただくことで、受け答えの内容も含め、実践的な対策ができたと思っています。練習した質問の中には、本番で聞かれた内容も多かったので、公務就職支援室の方には本当に感謝しています。

本番の試験でも、その成果は発揮できましたか?

一次選考のエントリーシートとSPIは問題を感じませんでしたが、二次選考の論文と面接は全く手応えがなく、通過できる自信もありませんでした。論文は過去の傾向とは全く違うテーマだったので、テーマの意図を汲んで論文を組み立てるのにとても苦労しました。冒頭の10分で論文の骨子を何とか考え、それぞれのパートを補足していくことで形にすることはできましたが、これまでの対策が功を奏したとは、あまり感じられませんでした。
一方、面接はと言うと、オーソドックスな質問が多く、これまで対策してきたことをそのままアウトプットするだけで大丈夫でした。しっかり対策してきたことが実を結んだとも言えますが、あまりにもスムーズにいきすぎて手応えがありませんでした。
三次選考は二度の面接とグループワークでした。面接では大阪府の施策や時事問題に関する詳細な質問が多かったですね。しっかり対策していないと答えられない質問もあり、私も想定していなかった部分を追及されて焦りました。グループワークは与えられた課題に対して考えをまとめ、紙に書いて発表するというものでした。グループワークは民間企業でも経験していましたが、苦手意識を持っていた司会役を担当することになり、手応えがないまま終了しました。
二次選考以降は、ほとんど手応えも自信もなかったので、合格発表を見る時は、本当に手が震えました。自分の番号を見つけた瞬間は嬉しかったというより、「本当に合格したのだろうか?」と、実感があまり湧かなかったというのが本音です。

今後の抱負についてお聞かせください。

合格後、大阪府庁の説明会に参加した際、周りの合格者たちを見廻し、「この人たちと一緒に、これから大阪のために仕事をしていくんだ」と自分の中で覚悟が決まりました。どの部署に配属されるかはわかりませんが、どこに配属されたとしても学び続ける姿勢を忘れず、さらに自分自身を高めたいです。大学で学修した個人情報保護法に関しても、現場レベルではさらに深い専門知識が求められるはずなので、今後も学び続けたいですね。
将来的にはスマートシティに関する仕事にも取り組みたいです。大阪で暮らしているすべての人が安全・快適に過ごせる環境を目指すスマートシティ化は、高校生の時から思い描いている「大きな仕事」に繋がると思っています。大学4年間の学びが公務員合格への道を拓いたように、現場で経験や知識、スキルを磨き続け、次は大阪の未来をひらくスマートシティ化という大事業に挑んでいきたいです。

受験生の皆さんへのメッセージ

どんな大学に進学するかは、とても重要な問題です。しかし、それ以上に入学後にどんな勉強をするのかの方がもっと重要です。入学後の行動ひとつで、将来は大きく変わります。私自身も大学生活で実感しました。有意義な学びを重ねて、長いようで短い大学生活を充実したものにしてください。

※掲載内容は取材当時のものです。

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