公務員・教員

韓国留学など多くの経験を通じて学んだことを、
地元の街の人々のために役立てたい。

堺市役所職員採用試験 合格尾﨑 泰希 さんTaiki Ozaki経済学部卒(2017年3月) / 大阪府立 農芸高校 出身

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堺市役所職員採用試験合格、おめでとうございます。
公務員を志すようになったのは、いつ頃からですか?

ありがとうございます。
公務員をめざそうと決めたのは、大学3年生になった頃です。僕は2年生の時、交換留学で1年間、韓国の慶尚大学校で学びました。帰国して、卒業後の進路と改めて向き合った時、自分の想いとしてあったのが「人のために役立つ仕事がしたい」ということ。どんな仕事も社会のため、人のためになるとは思いますが、「公務員なら直接的・包括的に、住民の方々の暮らしにかかわる仕事ができる」と考え、公務員を志しました。第一志望は、地元の堺市役所。自分がこの街で生活しながら、自分の街をよりよくしていけるのを実感したいというのが、その理由でした。

では大学入学当初の頃は、どのような想いを抱かれていたのでしょうか?

大学に入学する前、僕は農芸高校の資源動物科で、動物の生命と環境などについて学んでいました。自分が希望してこの高校を選び、普通科では学べない知識をたくさん身につけましたが、「また違ったことを学びたい」と考えて、大学への進学を決意。入学金と初年度の学費が免除となる特別奨学生に採用され、経法大に入学しました。親にあまり学費の負担をかけたくなかったので、とてもうれしかったです。
経済学部を選んだのは、経済の動きについて学べば、将来、いろいろな仕事につなげることができると考えたからです。1年生の時にはSコース(特修講座)の会計職講座を受講し、日商簿記検定3級と2級の試験に合格することができました。その頃は自分が公務員をめざすとは、想像もしなかったですね。

そして2年生から、韓国の慶尚大学校に留学されたのですね?

留学制度が充実しているという点も、この大学を選んだ理由の一つです。僕は日本人の父と韓国人の母との間に生まれました。「一度は母の国を訪れてみたい」という想いがあり、それを交換留学というかたちで実現できたのは幸運だったと思います。
慶尚大学校では、留学生を対象にした韓国語の授業のほか、現地の学生とともに経済学の専門科目の授業も履修しました。韓国語については留学前からしっかりと学んできたのである程度の自信は持っていましたが、やはり専門科目を韓国語で学ぶというのは難しかったですね。苦心しながらも努力を重ね、それが語学力のレベルアップにつながったと思います。帰国後は、韓国語能力試験5級に合格できました。
また留学期間中には、韓国人の学生や、中国や台湾からの留学生と仲良くなり、おかげで楽しい毎日を過ごすことができました。人間関係の大切さも、留学を通じて学べたと思います。

留学を終えた後、公務員採用試験に向けてどのような準備に取り組まれましたか?

まずSコースの公務員講座を受講しました。公務員採用試験の内容について学び、また、自治体のしくみなどについても理解を深めました。
堺市役所の採用試験には一般枠と特別枠があり、一般枠にある専門試験が特別枠にはありません。僕は3年生から準備を始めたこともあり、専門試験に合格するだけの力をつけるのは時間的に難しいと考え、先生とも相談して、特別枠での合格をめざすことに集中しました。
特別枠の試験は、一次が教養試験と集団面接、二次が論文試験と自己アピールのプレゼンテーションを含む個別面接。面接試験の配点が高く、面接対策が大きなポイントとなります。これをふまえ、僕は就勝実践キャンプや公務員試験対策合宿に参加し、特に面接の練習に力を注ぎました。そしてこの合宿をきっかけに、藤島先生から個別指導をしていただけるようになったことが、僕を合格に大きく近づけてくれたと思います。

先生からはどのような指導を受けられたのですか?

藤島先生は、公務員としての実務経験もお持ちの方です。法学部の先生なので、経済学部の僕はそれまで先生との接点がなかったのですが、公務員試験対策合宿で初めて指導いただき、以後、先生は僕のことを気にかけてくださるようになったんです。
4年生になってからのことでしたので、本番の採用試験まであまり時間はありませんでしたが、先生からはギリギリまで力強くサポートしていただきました。論文試験の添削指導をしてくださり、先生に勧めていただきキャリアセンターでの模擬面接も受けました。
模擬面接では最初、緊張からつい早口になってしまうことや、相手の質問から少しはずれた返答をしてしまう時があるということを指摘されました。その点を頭において模擬面接を何度も繰り返し受けることで、克服できたように思います。「面接だからと身構えずに、会話のキャッチボールをすることを意識しよう」「君は地元民としての想いを持っているのだから、そこをしっかり伝えることが大切」といった具体的なアドバイスもいただきました。おかげで本番の面接試験には、不安を感じることなく臨むことができたと思います。

面接試験ではどのようなことをアピールしましたか?

留学経験で養った国際性、農芸高校で環境との共生などについて深く学んだこと、また、堺市の自宅から八尾駅前キャンパスまで片道1時間の自転車通学をずっと続けていることなどをアピールしました。実は、堺市は自転車産業が盛んで、自転車に強い関心を持っていることは堺市役所の職員をめざす上でアピールポイントになりましたし、「自転車通学をするんだ」と自分で決めたことを途中でやめずに貫き通した継続力も評価してもらえたと感じています。
一次の教養試験では、韓国語能力試験5級の語学資格も採点に加算されました。日商簿記検定2級についても、評価につながったと思います。高校から大学にかけて学んできたことのすべてが、堺市の採用試験合格という最高の成果に結びついたと思います。いろいろな経験や勉強をしてきて、本当に良かったです。

今後の抱負についてお聞かせください。

学んできた成果を、これからは市民の方々のために役立てたい。希望部署は、国際部、農政部、環境局、自転車まちづくり部など、たくさんあります。財政部や人事部、総務など、市政の全体を見渡せる仕事ができる部署にも関心があります。そうした仕事を経験しておくことは将来の可能性を広げると、先生にも教えていただきました。
どのような仕事をするにも、市民の方々のことを第一に考え、笑顔で対応できる職員でありたい。もちろん、市政全体のバランスは損なわないように心がけながら。何より、生まれ育ったこの街の力になれることを、うれしく思っています。

受験生の皆さんへのメッセージ

経法大には無料で受講できるSコースなど、意欲ある学生をサポートするための体制が整っています。だからこそ、「ただ授業を受けるだけ」では、この大学に入る意味はないと、僕は思います。いろんな制度などを活用すれば、学費以上の成果が得られるのですからね。僕は特別奨学生として入学できただけでなく、1年生の夏に大学のポータルサイトを通じて「小野奨学会奨学金」を知り、その奨学生としても採用されたことで4年間給付型の奨学金を受けました。おかげで経済的な負担を感じず、4年間勉強に打ち込むことができたのです。みなさんにも、そうしたサポート制度について常にアンテナを張っておくことをオススメします。「知らなかった」では、もったいないですよ!

※掲載内容は取材当時のものです。

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