公務員・教員

努力を継続することで掴んだ警察官という夢。
交通事故のない世の中を実現していきたい。

和歌山県警察本部 合格永野 臣 さんJin Nagano法学部 法律学科卒(2022年3月) / 和歌山県立 和歌山商業高校 出身

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和歌山県警察本部の採用試験合格、おめでとうございます。
警察官を志したきっかけについてお聞かせください。

高校生の頃から、警察や消防に憧れを抱いていました。知人や親戚に消防官や教員がおり、公務員という存在が昔から身近だったからだと思います。そのため、公務員に強い経法大を進学先に選びましたが、本気で「警察官になろう」と決意を固めたのは2年生になってからでした。元警察官である石川先生のゼミに所属し、さまざまな角度から警察官を理解していく中で、警察官は日本で暮らす人にとって真に役立つ職業だと実感しました。ゼミの授業の中で特に衝撃を受けたのは、交通事故がいかに悲惨かということ。車はとても便利な交通手段ですが、恐ろしい凶器にもなり得るものです。飲酒運転やあおり運転、高齢の運転者などによる事故が後を絶たない昨今ですが、ゼミでの学修を通して「警察官として交通事故の減少に寄与したい」と強く思うようになりました。

警察官をめざし、大学ではどのような学修に取り組まれたのですか?

石川先生のゼミでは、社会情勢について学ぶ機会も多かったですね。毎回、全員が「1分間スピーチ」をするのですが、各個人が興味を持った時事ニュースを取り上げ、自分なりの見解を学生たちの前で発表します。毎週のことなので、かなりの数の時事ネタを知ることができ、世の中の出来事に対して警察官の視点に立って考えを巡らせ、それを他の学生たちに伝えることが当たり前になっていきました。さらに、日頃から何をするにしてもキビキビ、ハキハキした言動を徹底するよう指導を受けたので、このような経験は本番の面接試験でも大いに役立ちましたね。また、警察法や地方公務員法などの条文について、議論を交えながら意味を理解していったことも非常に有意義な取り組みだったと感じています。法律用語は難解なものが多く、読み解くだけでもひと苦労なのですが、さらに一歩踏み込んで「警察官の合理的な判断で」という観点が加わると、「合理的な判断とは、どこで線引きされるものか?」といった正解のない議論に発展することも多かったです。自分たちなりの答えを納得して見つけられることもあれば、議論が紛糾して石川先生が結論を導いてくださることもありました。
同じように、議論によって考えを深められた授業が「公務員特別演習」です。この演習では主に社会情勢に関するテーマで議論を交わし、警察官としてのあるべき姿や取るべき行動を見つけ出していきました。例えば、発生が危惧されている南海トラフ地震において、警察官はどんな役割を担えるのか、また担うべきなのかを議論します。災害時は人命救助が第一ですが、避難誘導も重要な役割です。交通規制による混乱の解消も忘れてはいけません。法律面とはまた違ったアプローチで「自分なりの警察官像」を確立できたので、今後のキャリアにおける土台になったと思っています。
筆記試験に向けた対策ができる「Sコース(特修講座)」には、2年生の後半から本腰を入れて参加するようになりました。それまでは野球部の活動にばかり力を入れていたので、勉強に本気で打ち込んではいなかったんです。しかし、成人式を迎えたことをきっかけに「警察官という夢に向けて、そろそろ真剣に取り組まなければ」という気持ちになりました。Sコースには、部活と重ならない時間帯に少人数で受講できる「アスリートクラス」があるため、部活に全力で打ち込みながら学修もしっかり進めることができました。とは言え、友人たちよりもスタートが遅れていたので、最初はついていくのがやっと。特に数学系の科目が苦手でしたが、少人数制のおかげで授業中に疑問点を質問しやすく、授業後に友人にも教えてもらうことで、少しずつ周囲に追いつくことができました。

大学生活で印象に残っていることはありますか?

野球部での活動は、どれも印象に残っていることばかりです。私が入部した当時は大会の成績が芳しくなく、練習を無断欠席する人も多い典型的な「低迷しているチーム」でした。それでも、小学校から続けてきた野球への情熱が消えることはなく、部活には精一杯取り組んでいました。そんな姿勢を評価してくださったのか、3年生になった時にキャプテンに任命され、チームの指揮をとることに。練習内容を練り直し、無断欠席をなくすために出欠表をつくるなど、チームの士気を上げるために随分奮闘しましたね。あまり口すっぱく注意するのが好きではないので、自分から率先して行動し、その姿を見てもらうことでチームを牽引するように心掛けていました。それでも練習量の不足を感じていたので、大学側と交渉し、練習場に向かうバスの出発時刻を9時から8時に前倒ししていただきました。少しずつですが、着実にチームの士気が高まってきたのを実感していた矢先に、新型コロナウイルス感染症が流行。その影響で満足に練習ができなくなってしまい、大会成績も個人成績も思うような結果を得ることは叶いませんでした。結果が出なかったのは素直に残念ですが、アスリートクラスのおかげもあって野球にも勉強にも全力で取り組めたので、仲間との時間や経験は、本当にかけがえのないものだと思っています。

本番の試験に向けて、どのような準備をされましたか?

朝8時から夜11時近くまで、大学の図書館やカフェで筆記試験対策の勉強をし、家に帰ってからは素振りや筋力トレーニング。そんな毎日を1年半くらい継続しました。正直、しんどくてサボりたい気持ちもありましたが、警察官になると周りに宣言していたので、「絶対、有言実行してやるんだ」という気持ちを拠り所に、堪えることができました。まさに「継続は力なり」を、身をもって体験した1年半でしたね。
また、4年生になってからは公務就職支援室に1日おきに通い、論文の添削をしていただきました。論文の書き方から単語表現、考えのまとめ方まで、あらゆることを指導していただいたので、職員の方には本当に感謝しています。最初は全くと言っていいほど書けず、設定文字数をクリアすることすらできませんでした。それが指導の甲斐もあり、文字数をクリアできるようになりました。そのうちに内容も充実し、最後には制限時間内に質の高い論文を書き上げられるようになりました。一次試験が終わった後も、公務就職支援室で面接の練習に打ち込みました。1ヵ月間、ほぼ毎日のように通っていたと思います。入室時の所作から話の内容に至るまで徹底的に磨き上げていただき、最後に石川先生に総仕上げの模擬面接をしていただいたことで自身を持って本番に臨むことができました。

本番の採用試験では、培ってきた力を発揮できましたか?

一次試験の筆記試験は政治に関する知識で曖昧な部分が出題され、思ったほど手応えがありませんでした。結果として通過できたので、継続的に取り組んできた学修の成果を出せたんだとは思います。反対に、二次試験の論文では、公務就職支援室での指導のおかげもあり、思う存分実力を発揮でき、かなりの手応えを感じることができました。続く面接も問題なく対応でき、最終面接で想定外の質問が出された時も、慌てることなく答えることができました。和歌山県警は地元ということもあり、大本命だったことから、その最終面接ともなると、さすがに緊張の色を隠せませんでした。しかし、公務就職支援室の職員の方々や石川先生のおかげで無事に乗り切ることができたと思っています。

今後の抱負についてお聞かせください。

まず、警察学校を上位の成績で卒業することが直近の目標です。そして、どんな状況にあっても冷静な判断ができる警察官になりたいと思っています。感情だけで突っ走っても「交通事故をなくしたい」という思いは叶えられません。交通課に入って、交通安全教室や講習会などによる地道な活動を積み重ね、公道での取締を強化していくことで、一歩ずつ交通事故のない世の中を実現していきたいと思っています。また、キャリアとしての最終目標は白バイ隊員になることです。そこから選抜される少数精鋭部隊の黒豹隊にも挑戦してみたいですね。

受験生の皆さんへのメッセージ

大学での勉強に不安を感じている人もいるでしょう。しかし、経法大ならSコースやゼミ、公務員特別演習など、自分を成長させてくれる環境が整っています。公務員になりたいという意思を持ってコツコツ勉強すれば、必ず夢は叶います。経法大は「継続すること」を応援してくれる大学なので、どうか安心して入学してくださいね。

※掲載内容は取材当時のものです。

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