公務員・教員

積み重ねてきた努力で勝ち取った夢。
次の夢は、「日本一安全で安心な奈良」を実現させること。

奈良県警察 合格島田 貴史 さんTakafumi Shimada法学部法律学科卒(2020年3月) / 大阪府立 交野高校 出身

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奈良県警察の採用試験合格、おめでとうございます。
警察官を志したきっかけについてお聞かせください。

ありがとうございます。大阪府警で働く父の姿を見て育ったので、幼い頃から父が目標であり、警察官は憧れの職業でした。大学に入ってからは視野が広がり、さまざまな職業への選択肢を考えることができましたが、警察官への気持ちが揺らぐことは一度もありませんでした。
当初、大学へは進学せずに警察官になろうと考えていたんですが、両親が経法大のパンフレットを取り寄せて大学進学を勧めてくれたので、とりあえずオープンキャンパスに参加してみることにしました。そこで大阪府警の採用試験に合格した先輩の話を聞く機会があり、大きく心が動かされました。公務員コースや「Sコース(特修講座)」などの体系的な学修環境についての話や、在学生が夢だった警察官になるまでのサクセスストーリーなどを聞いているうちに、公務員試験合格への経法大の強みを感じ、「この大学なら警察官をめざすのに最適かもしれない」と思い、経法大への進学を決断しました。

実際に経法大で学修に取り組んでみていかがでしたか?

一般的に大学に入ると一気に生活が変わり、忙しさから勉強に手がつけられなかったり、ついつい遊びがちになってしまったりすると言われますが、私の場合、1年生からSコースを受講したことにより、計画的に学修を進めることができました。また、講師の方が重点的に勉強すべき分野を丁寧に教えてくださるので、スムーズに知識を深めていけました。3年生からは応用問題が入ってくるため難易度も上がっていきましたが、同じく警察官を志している友人たちと切磋琢磨しながら学べるという点も非常に良かったと思います。
3年生からの「公務員特別演習」も、奈良県警の採用試験合格に大きく寄与したと感じます。この演習は元奈良県警の先生が担当してくださるので、一つひとつのアドバイスが的確で、「こういう面接の時はこう対処すればいい」と実践しながら教えてくださり、本番の面接でも役立ちましたね。また、最近は警察関係者の不祥事がメディアで取り沙汰されることも多いので、そういった不祥事に対してどんな考えを持っているのか、自分がその立場になった時どのように対処すべきなのか、などについて議論することも多かったです。タイムリーな話題を取り上げて重ねていけたので、本番の面接で「最近、気になったニュースは?」といった質問にも、自分の意見をしっかりと伝えることができました。

大学生活を振り返って、印象に残っていることはありますか?

3年生の時に、学生研究発表大会に出場したことが印象に残っています。自分の中でも大きな出来事でしたし、面接時の強力なアピール材料にもなりました。発表テーマは、「自動運転の刑事責任について」。個人的にも警察官という立場から見ても、とても興味深いテーマでした。
自動運転のレベルは、ハンドル・アクセル・ブレーキの3要素がどこまで自動化されているかによって4段階に分けられています。3要素のうち、いずれかが自動化されているのがレベル1。3要素のうち、複数が自動化されているのがレベル2。3要素のすべて、もしくは2つ以上をハイレベルに自動化し、緊急時にのみ運転車が操作するのがレベル3。すべての要素が自動化されていて、ドライバーが関与しない状態がレベル4です。
日本ではレベル4の車はまだ走っていないので、必ず人による操作とシステムによる制御が共存した状況が発生します。事故の状況によって自動車メーカー側の責任になるのか、運転手側の責任になるのかが議論の焦点です。多くの事故事例を調査しながら、この点についてチームで議論していきましたが、当時はまだ法令が整備されておらず、結果的に誰も刑事責任に問うのは難しいという結論しか導き出せませんでした。ただ、自動運転はあくまで事故を減らすために開発されているものですし、警察の立場から見てもメーカー側の責任を重くしすぎて、開発を遅らせるような流れにはしたくありませんでした。だから、「自動運転化が進んだとしても運転者側が無責任に車を運転しないよう、運転者側にも自覚と責任を促していくべきだ」との主張でプレゼンしたのですが、実社会でもそういった流れになりつつあるので、自分達の考えは間違いではなかったと、最近になって実感しています。

採用試験に向けては、どのような準備をされましたか?

勉強に関しては、すべて正課の授業とSコースで準備できました。面接対策という点では「公務員特別演習」でも練習を重ねましたが、何と言っても2泊3日の就活実践キャンプでの経験が大きかったですね。正直なところ「公務員特別演習」でも面接練習を重ねていたので自信を持って臨んだのですが、初日の模擬面接では多くの指摘をいただきました。悔しさから指摘された箇所を徹底的に練り直し、翌日の模擬面接で試して、また指摘を受けた箇所を練り直すという作業を繰り返していったんです。その甲斐あって、最終日には自分なりの型を作りあげることができました。
その後も「公務員特別演習」でお世話になっている先生に、個人的にお願いして、エントリーシートの添削や面接練習をしていただきました。もちろん、そういったことは授業でもやりますが、より実践に近い環境で練習を積むことで、本番に向けて自信を深めていくことができました。

本番の試験では、その成果を発揮できたのですか?

そうですね。1次選考の筆記と論文は、Sコースで学んできた成果を遺憾なく発揮することができたと思います。続く2次面接では、なぜ大阪府警ではなく奈良県警を志望しているのかについて聞かれました。父が大阪府警なので同じ組織ではない場所で一人前になりたいという思いと、「日本一安全で安心して暮らせる奈良の実現」という奈良県警の指針に魅かれたからという思いを素直に伝えることができました。言うまでもなく、これは今まで積み重ねてきた面接練習があったからこそだと思います。
次の面接では、エントリーシートの内容について深掘りされました。学生研究発表大会について書いていたので、「自動運転についての研究発表が警察にどうつながるの?」といった質問をされましたが、交通課への配属を希望している身としては、近年増加傾向にある高齢者による交通事故を減少させていくためにも、AIや自動運転に関する知識は非常に重要だと考え、この研究テーマに取り組んだことを理路整然と答えることができました。これも、こういった質問が来るだろうと先生が予測し、事前に予行演習をしていたおかげです。

合格を知った時は、どんな気持ちでしたか?

期待して待っていて不合格だった場合、精神的なショックが大きいと思い、あまり期待せずに待っていたんです。だから、自宅で合格発表のサイトを開いて自分の番号を確認した時は、本当にうれしかったです。「昔から憧れてきた警察官に自分もなれるんだ!」という喜びが、全身を駆け巡っていくような感覚を覚えました。母親も一階に居たのですぐに知らせにいくと、昔から警察官をめざしていることを知っていたので、心の底から安心している様子でした。その後、父にも電話で報告をし、目標だった父の背中に追いつくためのスタートラインに立ったんだと改めて実感しました。

今後の抱負についてお聞かせください。

これからは警察官という立場を常に自覚し、普段の生活でも強く自分を律していこうと思います。警察学校に入ってからは上位での卒業をめざし、これまで以上に努力を重ねていくつもりです。警察学校を卒業した後は、「日本一安全で安心して暮らせる奈良」を実現させるために、日本一高い志のもと奈良の安全を守り、奈良の人々に信頼される警察官になりたいと思います。

受験生の皆さんへのメッセージ

警察などの公務員をめざしている人にとっては、経法大には理想的な環境が揃っています。私が入学してからも施設や制度は、さらに充実していっているので、公務員を強く志望する方は、安心して経法大に入学してほしいですね。強い志と夢さえ持って入学すれば、制度や先生の強力なサポートのもと、必ず夢を実現できると思いますよ。

※掲載内容は取材当時のものです。

法学部学生研究発表大会

法学部の各ゼミが日頃の研究成果を発表する「法学部学生研究発表大会」。
2018年度第19回法学部学生研究発表大会は、35チームがエントリー。
出場チーム・学生は、各会場で、教員審査員や学生たちが見守る中、国際社会に関するものから身近な法律問題まで多岐にわたるテーマでこれまでの努力を遺憾なく発揮すべく、堂々とした発表を展開しました。また、学生や教員からの鋭い質問に対しても毅然と回答していました。

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