公務員・教員

防衛政策のスペシャリストとして、
日本の安全保障を守り抜ける人材を目指す。

国家一般職(防衛省 本省所在機関)合格川北 純平 さんJyunpei Kawakita経済学部経済学科卒(2024年3月) / 大阪府立生野高校

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防衛省職員採用試験合格、おめでとうございます。
公務員を志すようになったのは、いつ頃からですか?

大学2年生の終わり頃から公務員を目指すようになり、本格的に公務員採用試験に向けた勉強を開始しました。公務員といっても多様な職種と勤務先がありますが、国家一般職の採用試験に合格すれば、さまざまな中央省庁への道が開けます。国の重要な政策に関わることができ、国家や国民に大きく貢献できる仕事なので、まずはここを目指そうと目標を定めました。

防衛省に興味を持たれたきっかけは何ですか?

個人的に戦車や戦闘機には興味がありましたが、その関連の仕事に就くという発想は当初ありませんでした。しかし、ロシアがウクライナへの本格的な軍事侵攻を開始し、市街地で民間人にも死傷者が出ている状況をニュースで目の当たりにした際、「日本でも同じようなことが起こってもおかしくない」と感じ、安全保障に関係する公務に携わりたいと考えるようになりました。日本を取り巻く国際情勢と安全保障環境はとても複雑なので、その最前線に立って活躍できる防衛省に興味を持つようになりました。

大学ではどのような学修に取り組まれたのですか?

国家一般職の専門試験は出題範囲が非常に広く、勉強するのはとても大変です。さらに、約一年間ずっと集中して勉強する必要があるので、忍耐力も必要になってきます。そのため私は継続的に、集中して勉強に打ち込めるよう予備校に通うことにしました。大学の授業が終わったら予備校に行って勉強し、後日、予備校で勉強した内容を大学の図書館で繰り返し学修しました。そうすることで、理解の定着を図っていきました。
しかし、専門試験は法律系科目の比重が大きく、経済学部生の私にとってはわからないことも多くありました。法学部生にとっては当たり前のようなことでも、基礎から勉強しないと理解ができません。そのため、経法乗り入れ制度を利用して、法学部の授業を履修できたのは有り難かったです。「行政法総論」や「行政学」、「憲法概論」、「民法総則」などの授業で、法律や行政が持つ特有の視点を理解し、基礎知識を固めることができました。
また、経済学の分野も試験には頻出しますが、「ミクロ経済学」や「マクロ経済学」の授業を1年生から履修していたので、試験勉強の下地はしっかりできていました。もともと数学が好きだったので、関数を駆使して経済の動きをグラフで分析する「ミクロ経済学」や「マクロ経済学」は勉強していてとても楽しかったです。
しかし、試験本番が近づいてくると1日8時間ほど勉強しても足りないと感じながら勉強していたので、正直、つらい時期もありましたが、自分に負けたくない一心で踏ん張ることができました。大学受験の時、勉強がうまくはかどらない時期がありました。その時のことを思い出し、公務員試験の勉強では絶対に自分に負けるわけにはいかないと思っていました。「ここで踏ん張らなければ、同じような壁が立ち塞がった時、負けてしまう。逆にここで困難を打破できれば、今後の人生において自信にもつながるはずだ」。そう思って勉強に取り組んでいました。

大学生活で印象に残っていることはありますか?

2年生の時にBIP(Business Idea Presentation)プログラムに参加したことが印象に残っています。BIPプログラムは各学部から集まったメンバーでチームをつくり、決められたテーマのもと議論を重ねてひとつの提案を作り上げて企業へプレゼンするという取り組みです。初めて会う他学部生とチームになって、お互いの意見をまとめていくので、うまく進まないこともありました。多様な意見を一貫性のある提案へとするために、ひとつずつ根気強く話し合って考えをまとめていきました。将来、チームで物事を動かしたり議論したりする機会は多くなるので、敢えてまとめ役を買って出ることで、意識的にチームマネジメント力を磨くようにしていました。
3年生の時にゼミで学生研究発表大会に出場したことも印象深い出来事です。BIPプログラムの時の経験を活かし、グループで研究内容を練り上げていったのですが、BIPプログラムの時と違ってメンバーのモチベーションにはバラつきがありました。そんな環境下でもメンバーの意見をどう引き出し、どのようにまとめるのかを意識して取り組みました。研究発表のテーマは「災害避難における行動経済学の有用性」です。災害に対する危機管理も防衛省の管轄なのですが、南海トラフ地震が近い将来起こる可能性が高いと予測されている中、防衛省では被害を最小限に抑えるための事前予防策を重要視しています。私たちにも直接関係する事案なので、行動経済学を活用して避難をスムーズに行える仕組みづくりができないか研究しました。その内容を発展させて卒業論文では「行動経済学に基づく津波の避難促進の有効性」を研究しています。

試験本番に向けて、どのような準備をされたのですか?

公務員採用試験の筆記が終わる頃に、公務就職支援室で面接カードの添削をしてもらいました。また、面接練習もしていただき、面接という状況下で自分の考えを話すことの難しさを実感しました。自分の考えをただ話すだけでは長くなってしまったり、相手に伝えたいことが曖昧になってしまったりするので、公務就職支援室の方からは「先に結論を簡潔に話し、その根拠について実体験を織り交ぜながら話すこと」というアドバイスをいただきました。限られた時間の中で、自分の考えや体験を盛り込みつつ簡潔に話す。これが簡単なようで意外と難しく、最初は少し戸惑いましたが、面接練習を重ねる度に慣れていき、最後の方になると自分でも明らかに成長を感じられたので、自信を持って本番に臨むことができました。

今後の抱負についてお聞かせください。

入省後は様々な機関で経験を積み、最終的には防衛政策の企画・立案に携わって、日本の未来のために安全保障・国防に貢献したいと思っています。防衛政策のスペシャリストとして、しっかり自分の役割を果たせる人材になるためにも、何事にも主体性をもって取り組んでいくつもりです。

受験生の皆さんへのメッセージ

大学生活に大学名は関係ありません。主体性を持って学び続ければ、すべてが将来につながっていくはずです。アルバイトや遊びも大切だとは思いますが、何となく大学生活を過ごすのではなく、意志や目的を持って積極的に活動していください。

※掲載内容は取材当時のものです。

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