公務員・教員

警察官の父は、幼い頃からの僕の誇り。
その父を越える警察官をめざし、確かな一歩を踏み出せた。

熊本県警察 合格龍野 秀崇 さんHidetaka Tatsuno法学部卒(2015年3月) / 熊本県 真和高校 出身

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熊本県警察の採用試験合格、おめでとうございます。
警察官を志したきっかけについて、お聞かせください。

ありがとうございます。
父が警察官をしているため、僕にとって警察官はずっと身近な職業でした。そして僕は、警察官という職務に真剣に取り組み続けている父を、幼い頃からずっと尊敬し続けています。ですから、当たり前のように「自分も警察官になるんだろうな」と考えながら育ってきました。
高校生の頃には、急速にその意識が強まりました。「警察官しかない」と心に決めた僕は、公務員採用試験の合格実績が高い経法大に進学を決めました。大阪の大学を選んだのは、熊本の家族と離れて一人で暮らすことで、自分への厳しさや自立心を養おうと考えてのことです。

入学後、経法大で警察官をめざすための学習に取り組んでみて、どのように感じましたか?

1年生の時のSコース(特修講座)公務員基礎講座では、実際の公務員採用試験に出題される科目に取り組みましたが、それほど難しくはなかったですね。特に数学は得意だったので、数的推理や判断推理といった科目は簡単だと感じました。ただ、Sコースを受講することで、公務員採用試験の具体的な内容を知ることができたのは、大きかったと思います。それまでどんな試験内容なのか、まったく知りませんでしたから。
公務員特別演習では、時事問題などをテーマにディスカッションを行うことで、警察官の採用試験での集団討論の練習ができたのが良かったと思います。また大阪府警察の見学にも行き、実際の警察署の雰囲気などを肌で感じることもできました。
このSコースや公務員特別演習を通じて、警察官になりたいという同じ目標を持つ友人と仲良くなれたことも大きかったですね。ライバルとしてお互いに刺激をしあい、「自分も負けないように頑張ろう」という強い想いを持ち続けることができました。

法学部での学びについて、印象に残っていることはありますか?

やはり警察官という職業との関連性が高い、刑法の授業が興味深かったです。ゼミでも刑法を学び、特に正当防衛と過剰防衛との境界について、先生やゼミ生のみんなと討論したことが印象に残っています。実際にあった盗難事件の事例を取り上げ、これにはどの罪が適用されるかといった討論をしたこともありました。法律の解釈について考える力を養うことができたと思います。ゼミでの学びは、これから警察官として働く上でも必ず役に立つことと思います。

では、まさに「警察官になるための4年間」だったのですね?

「警察官になりたい」という気持ちはずっと失うことはありませんでしたが、採用試験に向けた勉強ばかりでなく、バスケットボールのサークル活動に参加したり、アルバイトもしました。特に2年生の時から始めた、塾の講師のアルバイトはとても楽しく、ずいぶん力を入れていたと思います。
でも3年生になって、民間企業をめざしている友人たちが就職活動に取り組むようになり、冬には内定をもらったという声が聞こえ始めると、少し焦りが出てきました。「そろそろ自分も何か始めなくては」と考え、まずは志望する熊本県警察について調べ、4年生になる前には熊本県警察の説明会にも行きました。説明会では、警察官という職務の厳しさなどを再確認しましたが、それでも「なりたい」という気持ちが揺らぐことはなかったですね。

その後、実際の採用試験に向けて、どのようなことに取り組みましたか?

筆記試験対策として、問題集に取り組みました。Sコースで1年生から学んできましたが、その力をさらに高めるため、一冊の問題集を記憶するくらいまで何度も解き、それができたらまた次の問題集を買って解く、ということを繰り返しました。
また、3年生の2月からは体力検査に向けて、スポーツジムに通いました。毎日欠かさずに2〜3時間のトレーニングを行い、4年生の初め頃は勉強とジム通いがすべてといった日々を過ごしましたよ。
5月には、公務員試験対策合宿に参加し、主に面接対策に取り組みました。それまでにも公務員特別演習などで面接のマナーについて学びましたが、この合宿の模擬面接では、実際に警察署で採用試験の面接官をされていた実績を持つアドバイザーの先生に、指導をしていただけたことがとても良かったと思います。塾でのアルバイトを通じて人前で話すことには自信を持っていたのですが、目線の動きのクセなどの改善点は、この時に指摘してもらえなかったら気づいていなかったと思います。何より、元警察官の方に「実際の警察官が学生をどのように見て、どのように評価するか」という視点で指導していただけたことが、ありがたかったです。

しっかりと準備を整えて、熊本県警察の採用試験に臨まれたのですね?

はい。熊本県警察以外は考えていなかったので、「ダメだったらあとがない」というくらいの気持ちで頑張りました。長男ということもあり、家族を守るために、絶対に地元の熊本で働きたいと考えていました。
1次の筆記試験を7月に受け、翌月は2次の体力検査と面接、集団討論。筆記試験はこれまで頑張ってきた甲斐があり、難なくクリアしました。でも面接では、面接官の方の対応がとても厳しく、少し萎縮してしまい、自分の思いなどをしっかりと伝えることができなかったように感じました。面接が終わったあとは、正直、合格の自信はあまりなかったですね。

合格発表を受けて、その不安な気持ちが吹き飛んだというわけですね?

試験から発表までずっと熊本の実家で待ち続けたのですが、本当に不安でしたよ。そして試験一週間後に、インターネットのサイトを通じて、合格を知りました。これまでの努力が実ったということが、何よりうれしかったですね。家族にも喜んでもらうことができ、ホッとしました。

今後の抱負についてお聞かせください。

まずは警察学校での訓練や勉強に向けての準備に、今から力を注いでいます。ジムでのトレーニングを再開して、警察学校の教科書も読み、予習を進めています。大学で学んだ内容と重なる部分も多いので、法学部を選んで良かったと改めて実感しています。
将来は、刑事課で刑事として働くことが夢です。やはり刑事はかっこいいイメージがありますし、憧れます。そしていずれは、父を越えるような警察官になりたい。その目標に向かい続けることで、どこまでも成長できるのではないかと考えています。

受験生の皆さんへのメッセージ

経法大には、Sコースや公務員特別演習、公務員試験対策合宿など、公務員をめざす人にとって役立つプログラムやカリキュラムが整っています。でもこれらを受講するだけで安心しきっていては、公務員採用試験の合格は見えてきません。大切なのは、自分自身が強い意志を持って勉強に取り組むこと。この大学は、自習のための環境も充実していますからね。例えば図書館には公務員採用試験に関する本がたくさん揃っていて、僕も小論文対策などでこうした本を読みあさりました。この環境をうまく使えば、合格はより近づくはずです。まずは自発的に学ぶという意識を持つようにしてもらいたいですね。

※掲載内容は取材当時のものです。

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