公務員・教員

アメフトで培った、責任感とリーダーシップ。
そのすべてをかけて、災害現場で命を守っていきたい。

岡山県警察 合格西川 勝希 さんKatsuki Nishikawa法学部法律学科卒(2020年3月) / 岡山県立 岡山一宮高校 出身

前へ

次へ

岡山県警察の採用試験合格、おめでとうございます。
まずは、警察官を志したきっかけについてお聞かせください。

きっかけは柔道教室です。小学校から高校までずっと柔道をやっていて、警察官OBの方に指導していただいていました。合宿に参加すると現役警察官の方と交流する機会もあり、その度に「警察官はいいぞ」と誘われてきたこともあり、ずっと警察官という職業は意識していました。そして、将来のことを考えはじめるようになった高校生の頃、警察官の方から改めて勧められたのですが、その時に「普通の人は人助けするのに勇気がいるけど、警察官なら堂々と人助けができるからいいぞ」と言われハッとしました。自分自身、困っている人を見てもなかなか行動に移せず、もどかしい思いをした経験があったので、「警察官になって人助けを仕事にするのもいいな」と思い、警察官を志望するようになりました。

警察官をめざして、大学ではどのような学修に取り組まれましたか?

実は、経法大の充実した制度をほとんど活用していないんです。周りの警察志望の友人たちは「Sコース(特修講座)」で筆記試験対策を進めたり、「公務員特別演習」で警察官に必要な知識や振る舞いを学んだりしていましたが、僕は部活にすべての力を注いできました。結果として合格できたから良かったものの、大学での学修をもっと大切にしておくべきだったと今では少し後悔しています。
ただ、そんな中でも「警察学入門」の授業は、警察官としての心構えなどを教わることができ、警察官に対する気持ちが一層強くなった授業です。また、警察官の勤務体系や休日の過ごし方、昇進できる人の特徴など、リアルな話を元奈良県警の先生から教えていただけたので、非常にためになりました。

大学生活で印象に残っていることはありますか?

僕の大学生活は、アメリカンフットボール部一色でした。3年生からはキャプテンという大役も務めさせていただきましたが、アメフト部には個性的な部員が集まっていたので、部をまとめるのにはかなり苦心しました。一番頭を悩ませたのが、練習に来ない部員をやる気にさせること。当時のアメフト部は人数が少なく、5つの大学と合同で練習をしていました。練習場所は兵庫にある大学なので朝7時頃には家を出る必要があり、練習に来たのは僕一人だけということもしばしば。「さすがにこれは何とかしなければ」と思い、僕のアメフト部改善計画が始まりました。
まず、多くの部員は寮で生活をしていたので、練習日の早朝に寮へ乗り込み、みんなを叩き起こしてから練習に向かうようにしました。それでも練習に来ない部員は個別にご飯に誘って相談に乗ったり、希望の練習メニューをヒアリングしたりすることで、少しでも練習しやすい環境づくりに注力しました。キャプテンになるまでは、正直、僕もそこまで練習熱心な部員ではなかったので、彼らの気持ちは理解できます。だからこそ、自分から行動を変えていき、部員の模範となれるように練習は休まず参加し、私生活の言動にも常に注意を払っていました。そういった地道な活動もあり、少しは部の雰囲気も変わったと思います。
また、プレーヤーとして、うれしいご褒美もいただきました。部員数が足りない大学が合同チームを組んで戦うパンダボウルという大会で、最もチームに貢献した選手として「MIP」に選出されたんです。アメフトで初めていただいた賞ですし、大会を運営している関西学生アメリカンフットボール連盟に個人の頑張りを評価していただけたのは、素直にうれしかったですね。

4年生からは、合同チームのキャンプテンもされてるそうですね。

そうなんです。これがなかなかの重労働でした。今までは経法大の部員だけを見ていればよかったのですが、他大学の部員も引っ張っていく必要があり、様々な経験をすることになりました。全体キャプテンとしての仕事は、練習日程や練習メニュー、スタメンの決定に加え、各大学への仕事の割り振りと指示出しなど多岐にわたります。試合動画の撮影・共有はこの大学、スタメン表の作成はこの大学、練習グランドの確保はこの大学という具合に指示を出し、すべての動きを把握しながら全体を動かしていく必要があります。一選手としてアメフトをしていた頃は、自分が楽しめればそれで良かったのですが、全体キャプテンになった以上、全部員が楽しんでアメフトができるように考えなければいけません。でも、そういった意識を持って行動したことで、責任感やリーダーシップを身につけることができました。

岡山県警の試験には、どのように臨まれましたか?

柔道をやっていた頃に警察官の方からいろいろな話を聞いていたので、情報収集にはそれほど力を入れませんでした。アメフト部のOBで警察官になった方がいたので、警察学校での生活や志望動機に何を書くべきかなどを教えていただきました。
1次選考は教養試験と体力試験でしたが、正直に言って、教養試験の手応えはあまり芳しくありませんでした。回答時間が足りなくなってしまい、よく通過できたなと自分でも驚いたくらいです。体力試験に関してはアメフトで鍛えていたので、全く問題ありませんでした。
2次選考は、個人と集団面接です。面接対策については、民間企業の面接をいくつか経験していたのと、自分なりに警察の面接で重要なことを調べていたので、何とか乗り切ることができました。

警察の中でも、広域緊急援助隊を希望されているそうですね。

はい。2018年の7月に地元・岡山を襲った西日本豪雨の災害現場で、警察官の方が活躍しているのをテレビで見て、災害時に人を助けられる警察官になりたいという思いが強くなりました。広域緊急援助隊は全国の都道府県に設置されている部隊で、要請があれば他県の応援にも駆けつけることができる部隊です。岡山に帰ってボランティアに参加した際、実際に僕も他県から応援に来ている警察官の方を多く目にしました。僕は水没した家の荷物の搬出・整理・掃除を手伝う3日間だけのボランティアでしたが、警察官の方々は長期で応援に来ているようでした。その中で信号機が壊れた道路で交通整理をしている大阪府警の方と話をする機会があり、「同じ日本人として困っている人を助けたいという思いだ」と伺い、自分の周りの人だけでなく全国的に人助けができる素晴らしさを実感しました。

合格を知った時は、どのようなお気持ちでしたか?

ずっとなりたかった警察官になれるとわかった瞬間は、本当にうれしかったですね。それと同時に、これからはより一層、警察官にふさわしい振る舞いをしなければと身が引き締まる思いです。万が一、岡山県警が不合格だった場合は、他府県の警察を受験し何が何でも警察官になるつもりだったので、今回の結果は両親も大喜びでした。

今後の抱負についてお聞かせください。

まずは、警察学校を無事に卒業することが目標ですね。でも、そこからが本当の勝負です。最初は交番勤務からスタートするので、地域の安全を守りながら、しっかりと経験を積んでいき、ゆくゆくは災害時に活躍できる警備課への配属希望を出したいと思っています。これまで培ってきたものすべてをかけて、災害現場で一人でも多くの命を守っていきたいですね。

受験生の皆さんへのメッセージ

何かひとつでいいので、打ち込めるものを見つけてください。勉強でも部活でも何でもいいと思います。それがどんなものであっても、必ず将来に活きてくるはずです。「将来に活きてくる」というのは就職活動のことも含みますが、人としての大きな成長にもつながると思っています。僕の場合、それはアメフトで、生涯にわたって武器となる責任感やリーダーシップを得ることができました。みなさんも、経法大で何かに打ち込む素晴らしい日々を過ごしてください。

※掲載内容は取材当時のものです。

アメリカンフットボール部

関西学生アメリカンフットボール連盟所属。
アメフトは、投げる、捕る、走る、蹴るなどたくさんの要素を含んだスポーツなので、初心者の方でもすぐに自分の活躍の場が見つかるはずです。
高校で目標を掲げ、残念ながら達成できなかった方、大学で何か新たに始めようと考えている方、アメフト部で一緒に汗を流しませんか。
一度練習を見に来て下さい。そうすれば、アメフトがどんなものなのか分かると思います。
そして私達の一員になってくれる方を心よりお待ちしております。

同じ職種・資格のストーリー