難関試験合格

休まず、おごらず、積み重ねてきた努力が、
公認会計士現役合格を実現した。

公認会計士試験 合格藤原 大花 さんOoka Fujiwara経済学部経営学科 4年生 / 大阪府 星翔高校 出身

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公認会計士試験の現役合格、おめでとうございます。
受験を志望したきっかけについてお聞かせください。

ありがとうございます。
高校時代は野球漬けの日々を過ごしていたので、正直、勉強には力を入れられませんでした。だから、野球部を引退した時、「このままじゃマズイ」とかなり焦ったんです。そこから将来を真剣に考えはじめ、様々な職業について調べるようになりました。その中で興味を持ったのが公認会計士です。
会計学は、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表で、会社の真実の姿を切り取ることができます。一見ただの数字の羅列ですが、その数字から見えてくるものは計り知れません。「これほど論理的で便利なものはない」。簿記の勉強をはじめた僕は純粋に感動し、その面白さに夢中になっていきました。だから、高校卒業までに日商簿記検定3級を取得し、公認会計士試験に本気で挑戦しようと思うようになったのは自然なことでした。
進学先に経法大を選んだのは、会計学特別演習や「Sコース(特修講座)」をはじめとする学修環境が充実していたから。やるからには、絶対に現役合格すると決めていたので、その目標に直結する大学として選びました。

入学後、公認会計士をめざして、どのような学修に取り組んでこられたのですか?

まずは簿記2級の取得をめざしていたのですが、1年生の時は2級の講座がなかったため、独学で勉強をスタートさせました。勉強すればするほど会計の面白さにはまっていき、「もっと知りたい。もっと深めたい」と、どんどん独学で勉強を進めていきました。そして、独学のまま2年生の11月に簿記1級を取得。2年生からはSコースも受講したかったのですが、自分で勉強した範囲がSコースの講義内容を追い越してしまっていたので、公認会計士試験の短答式試験に向けて、引き続き独学での勉強を選択しました。
ちょうど先輩がSコースの短答式試験対策の講座に通っていたので、テキストを譲ってもらえたのも良かったですね。そのテキストを使って、根本的な意味まで理解することを重視しながら、毎日休むことなくコツコツ6時間くらい勉強していました。理解が定着してきた実感があっても、おごることなくコンスタントに勉強を続けていき、分からない箇所が出てきた時は、会計学特別演習でお世話になっている引地先生に質問して解決していきました。独学といっても孤独な勉強ではなかったですし、行き詰まることもなかったですね。実際、Sコースで提携している専門学校のテスト問題も先輩からもらって挑戦してみましたが、けっこう上位の成績をとれていたんです。だから、2年生の12月に行われた短答式試験には自信を持って臨めました。結果も上々で、総得点の70%が合格ラインのところを84%くらいの得点で合格することができました。

その後の論文式試験の勉強も問題なく進めていけたのですか?

そうですね。勉強面では特に大きな壁はなかったと思います。論文式試験に向けては3年生からSコースも利用していたので、提携先の専門学校で行われる答案練習会、通称「答練」での順位を上げることをモチベーションに勉強に励んでいました。短答式試験が終わった直後の基礎答練は、下から数えた方が早い順位でしたが、次の応用答練では真ん中くらいの順位に。そして、次の全国模試では全国19位になり、会計学では全国2位にまでジャンプアップできました。
もちろん、休むことなく毎日7〜8時間くらい勉強したり、論文式試験用にテキストの論点を丸暗記したりと、努力を継続してきたからこその結果なので、楽にクリアしてきたわけではありません。時には勉強に疲れてしまうこともありました。でも、そんな時は引地先生が声を掛けてくださったり、気晴らしに先輩方との食事に連れて行ってくださったりと、細やかにフォローしてくださったおかげで持ち直すことができました。
また、同じ引地ゼミの2つ上の先輩で、公認会計士試験に現役合格された川口さんの存在も大きかったですね。川口さんという目標となる存在があったからこそ、ここまで頑張ることができたという面もあります。横のつながりだけではなく、先輩や大学院生、OB・OGなどの縦のつながりがある引地ゼミでは、本当にさまざまな刺激を受けることができました。

その成果は本番の論文式試験でも発揮できましたか?

それが本番の論文式試験は、思っていたより出来が良くなかったんです。正直なところ、「これはダメかもしれない」と感じていました。だから、8月に論文式試験を受けてから11月の合格発表までの間は、人生で一番不安な日々を過ごしていましたね。「もし、落ちていたら……」という悪い予感ばかりが胸の中で渦巻いて、とても苦しかったです。蓋をあけてみれば、3,600人中48位という上位合格で、何も心配する必要はなかったわけですが、当時は本当に胸がつぶれるような思いでした。

現役合格を勝ち取った時の喜びは相当なものだったでしょうね。

インターネットで合格を知った瞬間は、もちろん喜びもありましたが、ホッとした気持ちの方が大きかったですね。現役合格という目標を達成できた安堵や、勉強漬けの日々からの解放など、様々な気持ちが入り混じっていました。また、学費面や生活面で負担をかけていた両親、お世話になった先生方に現役合格という形で恩返しができたのもホッとした要因のひとつです。
合格を確認した後、近畿財務局に貼り出されている合格発表の掲示板も見に行きました。目の前に貼り出された、たった4桁の受験番号には、それまで積み重ねてきたすべての努力が凝縮されているかのようでした。記念の写真撮影をした後、先生や先輩方に祝って頂き、改めて合格の喜びを噛みしめることができました。

公認会計士試験の勉強以外で、印象に残っている学びがあればお聞かせください。

やはり、会計学特別演習ですね。授業では新聞記事を会計学の視点から読み解いて、みんなで議論を行います。たとえば、「引当金を削減するのは是か否か」という内容ですが、学問上の会計学ではなく実社会における生きた会計学を学べるのが面白いですね。試験勉強だけでは見えなかった側面に気づくことができますし、思考力を鍛えるという点でも役に立っています。公認会計士や税理士をめざす仲間が集まっているので、互いに切磋琢磨できる環境の中で学ぶことができたのも良かったと思います。
また、1年生の大学演習の授業でメンター活動をしているので、教えることの難しさも学んでいます。自分で勉強するのは簡単ですが、噛み砕いて人に教えるとなるとまったくの別問題。少しでも後輩を引き上げ、導いていけるように日々奮闘中です。

今後の抱負についてお聞かせください。

現役合格の強みは、卒業までに時間があること。試験勉強以外は極限まで排除してきたので、残りの大学生活の中で色々なことにチャレンジしたいと思っています。たとえば、英語の勉強。人生の中で一度は海外で働いてみたいと思いますし、これからの時代は公認会計士にも英語力は必要になってきます。また、将来的には医療業界に強い会計士になりたいので、卒業までに医療経営士の資格も取得したいですね。
これらの勉強と並行して、アルバイトにも力を入れていきたいと思っています。アルバイトといっても、内定をいただいた監査法人でのアルバイトです。大学生活や勉強を大切にしたいので、週に1〜2回程度ですが、実践での経験を積みながら公認会計士という職業を理解していきたいです。

受験生の皆さんへのメッセージ

大学選びは、「なりたい将来像に一番近い大学」という基準で選んでほしいと思います。そして、入学後は、どんなことでもいいので、自分の中で明確な目標を決めて、その目標に向かって毎日努力を続けてください。目標もなく、漠然とした大学生活を過ごすことほど、もったいないことはありません。
また、あなたが大学に入って公認会計士をめざしたいと思っているなら、大学の授業も大切にしてください。公認会計士を志す多くの人は、大学の授業を欠席して勉強するそうですが、大学生である以上、大学での勉強や仲間との時間も大切にしてほしいですね。実際、僕は大学の授業に休まず出席して、充実した大学生活を送りながら、公認会計士試験に合格できました。切磋琢磨できる仲間との出会いや時間は一生の財産になりますから。

※掲載内容は取材当時のものです。

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