難関試験合格

目標としていた公認会計士の現役合格。
そして、その先に広がる夢。
それは素晴らしい仲間や先生に、出会えたからこそ。

公認会計士試験 合格川口 将輝 さんMasaki Kawaguchi経済学部経営学科卒(2018年3月) / 香川県立 坂出商業高校 出身

前へ

次へ

公認会計士試験の現役合格、おめでとうございます。
受験を志望したきっかけについてお聞かせください。

ありがとうございます。
私は高校生の時から、商業科で簿記を学んできました。高校2年の6月には、日商簿記検定2級試験に合格。「このまま頑張り続けて、会計専門職をめざそう」と考え、公認会計士試験への挑戦を決意しました。税理士という道も考えましたが、公認会計士のほうが仕事の幅が広いと感じてのことです。
経法大に進学した理由は、Sコース(特修講座)があったから。公認会計士をめざすための講座が無料で受けられると知り、「行くんだったらこの大学だ」と思いました。

では経法大に入学後は、公認会計士をめざすための勉強に打ち込み続けてこられたのですね。

はい。1年生の時から、Sコースの公認会計士講座を受講しました。Sコースでは通常、1年次には会計職基礎講座を受け、公認会計士講座は2年次以降に受講するプログラムとなっています。でも私は高校生の時に日商簿記検定2級に合格し、会計職基礎講座の内容はすでに理解できていたので、「最初から公認会計士講座を受講したい」と考え、その意志をエクステンションセンターに伝えたところ、すぐに認めていただけました。柔軟な対応をしていただき、感謝しています。
公認会計士講座は1年生の9月からスタートしました。Sコースからの派遣で専門学校に通い、最初は入門講座、2年生からは上級講座を受講。2年生の後半は公認会計士試験の短答式試験に向けた対策に取り組み、12月にこの短答式試験を受験し、合格することができました。

高い目標に向かって、順調に進んでこられたのですね。

短答式試験を受けた時は、実はあまり自信がありませんでした。でも合格という結果をつかめたことで、手応えを感じました。これまで自分が頑張ってきた勉強に、間違いはなかったのだ、と。
高校時代に学んだ簿記は、授業時間だけでなんとか理解できていました。しかし公認会計士試験に向けた学修内容はやはり難しく、そういう意味では苦心したようにも思います。講座以外の時間でも勉強する必要が増し、1日に6時間くらいは自習するという日々が続きました。特に短答式試験のあと、論文式試験を受験するまでの半年間は頑張ったと思います。試験日が迫ることで勉強内容が詰まってくると苦しかったですが、「あともう少し頑張って、乗り切れば」と自分を奮い立たせ、モチベーションを切らせることはありませんでした。
そして3年生の8月に論文式試験を受験。この時も合格の自信はあまりなかったのですが、「ここまで頑張ってきて、やれることはやった」とは感じていました。

そしてこの11月に、合格の知らせを受けることができたのですね。

はい。現役で合格したいと考えていましたので、あと1年あるとは思いつつ、合格できて本当に良かったと感じています。うれしいというより、ホッとしたという感覚でした。
うれしいという気持ちでは、1年生の6月に日商簿記検定1級に合格できた時のほうが大きかったかもしれません。実は高校生の頃から日商簿記検定1級試験を何度も受け続けてきて、今回が4度目の挑戦でようやく合格に至ったのです。Sコースの公認会計士講座を受講する前に、意地でも1級に合格しておきたいという想いで頑張ったので、喜びは本当に大きかったです。そしてこの壁を乗り越えたことで、「公認会計士試験も頑張ればきっと合格できる」という気持ちになれたと思います。

応用情報技術者試験も合格されたと聞きましたが。

はい、2年生の6月に試験を受け、合格しました。情報系の資格を取ろうと思ったのは、友人の勧めがあってのことです。また、父がシステムエンジニアをしていることから、私自身も興味を持っていました。この試験を受けるにあたって、先生に指導をお願いしたところ、快諾してくださり、週に一度、個別指導をしていただけたことに、心から感謝しています。
公認会計士試験に合格してすぐに、大手監査法人から内定をいただくことができました。予定されている配属先は、IT監査部。情報系の資格や知識が必ず生かせる部署ですし、在学中に情報処理安全確保支援士の合格もめざしたいと考え、今、勉強中です。将来的にはシステム監査人の資格取得も視野に入れています。

授業でも、将来につながる学びはできましたか?

会計学特別演習で、日経新聞の記事を教材とした学修に取り組んでいて、それがとてもためになると感じています。記事を読んで、「減損会計処理がなされているが、その理由は?」「なぜ多額に計上されている?」など、みんなで考え、自分たちが学んでいる会計が実務でどのように使われているか、理解を深めています。この授業を通じて、経営者の視点など、資格試験のための勉強だけでは得られない、将来、公認会計士として社会で仕事をする上で役立つ知識や考え方が身につけられていると感じています。
また、こうした授業では、公認会計士や税理士をめざす仲間と一緒に学べるというのも、私にとってとてもありがたいことです。お互いに刺激しあい、高め合っていける仲間の存在は、難関試験突破に挑戦する上で、大きな励みになりました。高校の頃に日商簿記検定2級に合格している私は、他のみんなより一歩先を進んでいたので、あとに続いてもらえるように、「頑張れば、結果が出せる」ということを仲間たちに示したかった。それが高いモチベーションとなり、結果として私が公認会計士試験に合格できたことで仲間たちの奮起を促すことができ、うれしく思います。

今後の抱負についてお聞かせください。

大学卒業までに、情報処理安全確保支援士の資格取得をめざし、また、「不正会計とガバナンス」をテーマとした卒業論文に取り組むつもりです。大手企業の不正会計の事件や、日本再興戦略でコーポレートガバナンスの強化が掲げられたことなどから、これからの企業にはガバナンスが重要になると感じてのことです。公認会計士には不正を見抜く力も求められますし、「どういう組織から不正が起きるのか」といったことも、学生のうちに研究しておきたいと思っています。
公認会計士試験には合格できましたが、まだ公認会計士になれたわけではありません。卒業後、監査法人での経験を経て、修了試験に合格し、公認会計士となることを、一番の目標と考えています。
そして10年ほど監査法人で公認会計士として経験を積んだ後、「独立するか、大学に戻るか」といった未来を思い描いています。大学で一緒に学んだ友人たちと起業し、会計事務所をつくる、というのが夢なんです。もしくは、大学で教鞭をとってみたい。今、私は1年生の大学演習でメンターをしており、勉強会を開いて1年生たちに簿記を教えています。会計学特別演習やゼミでお世話になっている、引地先生の影響が大きいですね。先生はとても楽しそうに教えてくださいますし、私自身も勉強会を通じて教えることの楽しさを体感できています。二つの夢のどちらを選ぶかは、まだ決まっていませんが、自分にとって先生や仲間たちの存在がいかに大きいかを、改めて実感しています。

受験生の皆さんへのメッセージ

目標を持って頑張ることは大切ですが、簡単には目標が見つからないという人もいるでしょう。最初は「いい会社に就職したい」などといった漠然とした想いでもいいと、私は思います。「いい会社に入るためには、何をすべきか?」「それをするためには、どんな力が必要なのか?」と、連想ゲームのように突き詰めていくうちに、何かをつかめるかもしれません。興味を持った資格の試験に挑戦してみるのも、いいと思います。簿記でも、ファイナンシャル・プランニングでも、法学系の資格でも、何でも構いません。どんな資格でも取得すれば自信になりますし、努力の証にもなります。とにかく、何もしなければ、何も始まりません。どんなことでも頑張っていれば、大学の先生をはじめ、周囲の人たちも応援してくれます。親身になって相談にも乗ってもらえるでしょうし、それが自分の未来を切り拓くきっかけにもなる。ぜひ大学でいろんなことに挑戦し、頑張って、あなただけの答えを見つけ出してください!

※掲載内容は取材当時のものです。

同じ職種・資格のストーリー