難関試験合格

法律で誰かを元気にできることがきっとある!
目標は「地域の町医者」のような存在です。

司法試験 合格高山 竜嗣 さんRyuji Takayama法学部卒(2011年3月) / 大阪府立 花園高校 出身

前へ

次へ

高山さんは社会人経験者ですが、司法試験を受験しようと思ったきっかけは何ですか?

高校を卒業してから12年間、自営業として働いてきました。仕事そのものは楽しかったですが、やはりもっと上のステージをめざしたいという気持ちはありました。そこで頭に浮かんだのが弁護士です。司法試験制度の改正によって以前よりチャレンジしやすくなりましたし、中小企業や個人商店にとっても法律は身近なテーマですから。自営業という社会経験を活かすことで、より身近な立場で法律上のサポートができる弁護士になれるのでは…と考えました。

その挑戦の舞台に選んだのが経法大だったのですね?

やはり学費免除がある特待生に挑戦できることが魅力でした。年齢を重ねてからの挑戦ですから、半端な覚悟ではいけない。特待生に選ばれる力がないのなら、司法試験を受ける資格はないと思っていました。だから受験をしたのも経法大一校のみ。ここでダメなら弁護士の夢を諦める覚悟だったので、無事合格し特待生に選ばれた時は安心しました。
もちろん入学後も勉強漬けの毎日。朝の9時から夜の8時まで授業時間以外はずっと自習室にこもり、その後も大学の最寄駅である瓢箪山駅近くの飲食店で夜11時まで勉強を続けました。Sコースの法職講座にもお世話になりましたね。

それはすごい!4年間頑張れた理由は何ですか?

法律の勉強を始めてすぐに、あまりの専門性の深さに驚いたんです。でも、自分で選んだ道だからと教科書がボロボロになるまで読み込みました。勉強に慣れた2年次からは大事な論点やポイントが理解できるようになり、勉強が面白いと感じるように…。大学の支援制度を利用してロンドンにも留学し、英語のスキルや海外の社会関係学、国際政治学に関する知識も磨きました。
3年次以降は、法科大学院や司法試験に向けた受験勉強を本格的にスタート。コツコツと過去問題に取り組みました。ずっと前向きに頑張れた理由は、大学の恵まれた学習環境や経済サポートのおかげです。経法大は学生一人ひとりを尊重してくださる学風でした。だから自分のスタイルで勉強を進められましたね。

法科大学院ではどのような勉強をされましたか?

国公立と私立を合わせて、合格した法科大学院は3校。そのなかで大阪大学を選んだのは、優秀な学生が集まるレベルの高い環境で実力を磨きたかったからです。司法試験に向けて勉強に励む一方で、2011年には東日本大震災の被災地となった仙台へボランティアにも行きました。メディアの情報だけでなく、自分の目で被災地の状況を見たかったんです。
現地では弁護士の方の補佐として仮設住宅に関する法律相談を担当。民間企業やNPO団体とも連携しながら、住民の方を支える活動をしました。住民の声に応えるための行政との調整や立法の改正現場を見ることもでき、とても勉強になりました。こうした司法ソーシャルワークの知識も、将来に役立てたいと思っています。

そして見事、司法試験に合格!今のお気持ちを聞かせてください。

嬉しいのはもちろんですが、ホッとしたという気持ちの方が大きいですね。大きな壁を乗り越えたことが自信になりましたし、支えてくださった方々、ともに喜んでくださった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。挑戦を始めてからの6年半は本当にあっという間でした。常に継続する姿勢を大切にしたことが、ここまでがんばれた理由かもしれません。司法試験は確かに難関ですが、オリンピックの出場やノーベル賞の受賞に比べれば、まだ現実的な世界です。努力を続ければ夢は叶う。そう実感できた挑戦でした。

これからの目標や理想に描く弁護士像を教えてください。

司法試験の合格は、まだはじめの一歩にしか過ぎません。自分でもまだまだ法律の知識は足りないと自覚していますし、もうすぐ1年間の修習期間も始まります。まずはより高度な専門性を深めながら、弁護士としての就職活動に励みたいと思います。
被災地でのボランティア経験でも学んだことですが、法律にはもっと社会の人々を元気にできる可能性があると感じています。弁護士として進む道はまだ模索している最中ですが、たとえば「地域の町医者」のような存在になって、身近な人々を支援できればいいですね。とにかく自分のできることを精一杯やっていきます!

受験生の皆さんへのメッセージ

高校時代から司法試験をめざす方もいますが、まだ焦る必要はありません。大学時代からの勉強でも十分間に合いますし、サークルやボランティア、アルバイトなど、興味のあることに何でも挑戦して、たくさんの社会経験を積むことも大切だと思います。大学4年間を通してやりたいことをゆっくり探しながら、自分の道を進んでほしいですね。

※掲載内容は取材当時のものです。

同じ職種・資格のストーリー